近年の日本の気候は年々暑くなっていますが、それでも冬場は氷点下に達したり、雪が積もったりする地域はまだまだたくさんあります。
特に北海道や東北、北陸や甲信越などは年間降雪量が多く、サマータイヤからスタッドレスタイヤへの履き替えが必要不可欠です。
また、積雪がなくても、冬場は路面の温度が極端に低下するため、サマータイヤでの走行が危険な時もあります。
そうなると、スタッドレスタイヤに履き替える必要が出てきます。
参考[交換時期]スタッドレスタイヤはいつ履き替えれば良い?調べてみました[購入時期]
サマータイヤ(夏タイヤ)のままでの冬場の走行は、スリップをして事故をするリスクが潜んでいますので、スタッドレスタイヤは降雪地域でお車に乗る人にとって必需品です。 段々と空気が冷たくなると、スタッドレス ...
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しかし、スタッドレスタイヤへの履き替えは、時間も労力も必要です。取り外したタイヤの保管場所も用意しなければいけません。
そのため、最近は1年間を通して履き続けられるオールシーズンタイヤを装着する方が増えてきました。
そこで今回ご紹介するのが、2024年10月に登場したダンロップのオールシーズンタイヤ、シンクロウェザーです。
シンクロウェザーは、路面状況に合わせてタイヤ自らが適した性能に変化するという、全く新しい特性を持つ新時代のオールシーズンタイヤです。
本記事では、シンクロウェザーに採用されている新技術や、より詳しい特徴をご紹介していきます。
オールシーズンタイヤへの履き替えを検討されている方は、ぜひご一読ください。
もくじ
サマータイヤやスタッドレスタイヤ両方の良いとこ取りをした次世代のオールシーズンタイヤ
これまでに販売されているオールシーズンタイヤは、性能的にサマータイヤとスタッドレスタイヤの中間に位置するタイヤとして売り出されていました。
しかし、見方を変えれば、
- ドライグリップやコンフォート性能はサマータイヤの方が上
- 軽微な雪上は走れるものの、氷上走行時はスタッドレスタイヤへの交換が必要
というデメリットも存在するため、「年に数日は雪が降る地域」や「路面が凍結するまではいかないが気温が低下する地域」にお住まいの方など、使用が適している方は限られていました。
しかし今回ダンロップから登場したシンクロウェザーは、水や温度に反応してゴムの性質が変化するという新しい技術を搭載。
サマータイヤ、スタッドレスタイヤ両方の良いとこ取りをした、より多くの方に装着いただけるタイヤに仕上がっています。
- ドライ・ウェット・ライフ・ノイズ性能・・・エナセーブEC204と同等
- 雪上・氷上性能・・・ウインターマックス02と同等
※過酷な雪上・氷上路面を走行する時は「ウインターマックス03」などといった、本格的なスタッドレスタイヤの装着を推奨します。
路面状況に合わせてタイヤ自らが変化する新技術「アクティブトレッド」
シンクロウェザーが「次世代のオールシーズンタイヤ」と言われるのは、先ほど触れた”水や温度に反応してゴムの性質が変化する”という新技術「アクティブトレッド」が採用されているからです。
「アクティブトレッド」は、
- 水スイッチ・・・水に反応して柔らかくなる
- 温度スイッチ・・・低温下でも硬化しにくい
この2つの特徴を持っています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.雨の日は「水スイッチ ON」でタイヤ自体が柔らかくなる
まずは「水スイッチ」からご紹介していきます。
タイヤのゴムは”ポリマー”や”シリカ”と呼ばれる物質が強固に結合して形成されていますが、シンクロウェザーでは「イオン結合」という特殊な方法が使われています。
「イオン結合」は水に触れるとポリマー同士の結合がほどける性質を持つため、濡れた路面の上を走ると、結合がほどけてタイヤが柔らかくなります。
ダンロップではこの状態を「水スイッチ ON」と呼んでいます。
「水スイッチ ON」の状態のタイヤは、路面の細かな凹凸にはまりこみやすいため、少ない力で安定したグリップ力が発揮できます。
このおかげで、シンクロウェザーのウェットブレーキ性能はサマータイヤの「エナセーブ EC204」と同等レベル以上。雨の日でも安心して走行することができます。
また、雨が止んでタイヤ表面が乾いてくると、ポリマーが再結合を始めて元の硬さに戻るため、ドライ路面では、サマータイヤのように軽快に走れます。
2.冬の日は「温度スイッチ ON」でゴムの硬化を防止する
先ほどご紹介したタイヤの素材であるポリマーには、グリップ力を生み出す「グリップ成分」が含まれています。
しかし「グリップ成分」は気温が低いと固まってしまい、それに追従してポリマーも動かなくなり、本来のグリップ力が発揮できなくなります。
サマータイヤが低温下でグリップしないのは、これが原因です。
しかし、シンクロウェザーはポリマーの一部で「グリップ成分」が切り離されています。
このおかげで、低温下で「グリップ成分」が固まったとしても、切り離されたポリマーは仕事をし続けるため、冬場でも柔らかい状態が維持できます。
ダンロップではこの状態を「温度スイッチ」と呼んでいます。
「温度スイッチ ON」状態での氷上ブレーキ性能は、スタッドレスタイヤのウインターマックス02と同等レベル。
- スノーフレークマーク・・・「高速道路冬用タイヤ規制」でも走れる
- アイスグリップシンボル・・・国連規定で定められた氷上性能の基準を満たしている
この2つのマークも取得していますので、冬場も安心して走行できます。
静粛性や耐摩耗性能を高めた新トレッドパターン
シンクロウェザーのトレッド形状は、最新のノイズシミュレーションや、摩耗予測シミュレーションを使って計算したデザインが採用されています。
オールシーズンタイヤらしい細かな溝がたくさん切られていますが、よく見ると、センターとサイドで形状が異なっています。
これは、あえて2種類のブロックを配置することで、タイヤから発するノイズをコントロールし、静粛性を高めているのです。
また、接地面全体が均一化されるように設計され、静粛性能や耐摩耗性能も高められています。
ちなみに静粛性能や耐摩耗性能も、エナセーブ EC204と同等もしくはそれ以上と公式からアナウンスされています。
店舗の意見
ダンロップは、これまで空気入りタイヤやラジアルタイヤ、スタッドレスタイヤなど、今となっては当たり前となったタイヤの基盤を作り上げてきた偉大なメーカーです。
そんなダンロップが、またタイヤの歴史に新たな1ページを刻みました。
今回登場したシンクロウェザーは、条件によってタイヤ自らがゴムの性質を変えるという、これまでのタイヤの常識を根底から覆した技術が使われています。
最近のオールシーズンタイヤは、少しでもサマータイヤとスタッドレスタイヤ両方の性能に近づくように、各メーカーが開発を続けていますが、シンクロウェザーほど両タイヤの長所を生かしたオールシーズンタイヤは今まで見たことがありません。
「世界よ、驚け。」のキャッチコピーからも、本製品はダンロップの相当な自信作であることが伺えます。機会があれば、ぜひ試乗して体験してみたいところです。
シンクロウェザーのサイズ展開
シンクロウェザーは、2024年10月の発売時点で15〜19インチ、全40サイズの展開となっています。
※サイズは随時追加される予定で、最終的には〜22インチ、合計100サイズ以上の展開が予定されています。
19インチ | 18インチ | 17インチ | 16インチ | 15インチ |
---|---|---|---|---|
195/50R19 88H | 225/40R18 92V XL | 205/45R17 88V XL | 195/55R16 91H XL | 165/55R15 75H |
225/55R19 103V XL | 245/40R18 97V XL | 215/45R17 91W XL | 205/55R16 94H XL | 165/60R15 77H |
235/55R19 105H XL | 215/45R18 89W | 225/45R17 94V XL | 195/60R16 89H | 185/60R15 84H |
225/45R18 95V XL | 215/50R17 95V XL | 205/60R16 96H XL | 175/65R15 88H XL | |
235/45R18 98V XL | 225/50R17 98V XL | 215/60R16 95H | 185/65R15 92H XL | |
215/50R18 92V | 205/55R17 95V XL | 195/65R16 92H | 195/65R15 91H | |
225/50R18 99V XL | 215/55R17 94V | 205/65R16 95H | ||
235/50R18 101V XL | 225/55R17 101V XL | |||
225/55R18 102V XL | 195/60R17 90H | |||
235/55R18 104V XL | 215/60R17 96H | |||
225/60R18 104V XL | 225/60R17 99V | |||
235/60R18 107V XL | 225/65R17 106H XL | |||
まとめ
タイヤ自らが性質を変化させて路面環境に合わせるという、全く新しい技術を持って生まれたシンクロウェザー。
夏はドライ路面やウェット路面を快適に走れるだけでなく、静粛性も高められているため、旅行やドライブなどの長距離移動も快適に行えます。
また、冬場は従来のオールシーズンタイヤでは走行できなかった氷上路面も走行可能。
突然の雪道だけではなく、シャーベット路面でもある程度のグリップ力が確保されているため、スタッドレスタイヤの代用としても活躍します。
※過酷な凍結路面や雪上路面では、スタッドレスタイヤを装着されることを推奨します。
シンクロウェザーは、当店相広タイヤ商会 タイヤガーデン川越でも販売しています。
10月1日の発売開始日は40サイズの展開ですが、他サイズも随時追加予定ですので、購入を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。