タイヤのサイドウォール(横から見える部分)には様々な情報が記してあります。
今回は一部のタイヤのサイドウォールに刻印してある下の表記について記事にしています。
- Treadwear
- Traction
- Temperature
これらは何を示しているもので、タイヤ選びの際にどのように関わってくるものでしょうか。
順を追ってご説明いたします。
もくじ
UTQG表示というアメリカで設けられたタイヤの性能基準
これらの表示はアメリカの運輸局に寄って設けられた基準である『統一タイヤ品質等級基準』を表したものです。
Uniform Tire Quality Gradingの頭文字をとって、「UTQG表示」といいます。
UTQG表示のそれぞれの意味
各指標はアメリカにある当局のテストコースにて評価された結果が記されています。
Treadwear(トレッドウェア)
タイヤの摩耗率に対する評価を表しています。
簡単に言うとどれだけ摩耗しないか、もしくはどれだけ減りやすいか。ということですね。
この数字が100というタイヤに対して200であれば2倍の耐摩耗性があるということになります。
2桁から600台までが一般的にみかける数値です。
おおよその場合、この数値が少ないほうがグリップ力が高いタイヤが多いですが、必ずしも摩耗率とグリップは比例しないため注意が必要です。
Traction(トラクション)
直訳すると「牽引力」を表す英語です。
タイヤにおいては駆動輪のタイヤと路面の接地面で発生する駆動力(前後に進むときの力)を示すものです。
UTQG表示では濡れている路面(ウェット路面)で車をまっすぐに停止させる能力の評価のことを指します。
AAが最高で、評価はAA、A、B、Cの4ランクです。
日本でいう低燃費ラベリング制度のウェットグリップ性能によく似た指標と言えます。
Temperature(テンパチャー)
直訳すると「温度」を表す英語です。
タイヤの耐熱性や効果的に熱を放散させる能力を示しています 。
Aが最高で 、評価 はA、B、C です。
例) ヨコハマタイヤ ジオランダーSUV 215/70R16
こちらのタイヤでは上の写真のように表示されていました。
- Treadwear 600
- Traction B
- Temperature A
Treadwear 600はかなり摩耗しづらいことを示していますね。
Tractionは下から二番目のB、Temperatureは最も良いAであることがわかります。
UTQGは全てのタイヤに記されているわけではない
UTQG表示は主にアメリカで流通しているタイヤに記されています。
そのため、日本国内のみで流通しているタイヤには刻印がないことが多くなっているようです。
例えばヨコハマタイヤですと世界中で販売されているADVANシリーズ(ADVAN SPORTやADVAN NEOVA)などには記してありますが、低燃費タイヤのBluEarthシリーズにはありません。
アメリカをはじめヨーロッパやアジアなど世界各国で流通している商品についてはほとんどの場合記されていますので参考にすると良いでしょう。
UTQGの一覧
基本的に日本国内ではTreadwear、Traction、Temperatureをメーカーは公表していないようです。
そのため各タイヤの性能を知るには、第三者が公開しているものを見るしかありません。
日本国内には該当のサイトなど見当たらないため、下記を参考にすると良いかと思います。
なお、同じタイヤの種類でもサイズによって評価が異なるものもあります。
タイヤ選びの参考の一部に
UTQGはタイヤの性能を測るのにひとつの指標として役立つものになるかと思います。
しかしながら、タイヤにはその他にも様々な性能があります。
「低燃費性能」「静粛性」「乗り心地」「快適性」「硬さ・柔らかさ」「運動性能」などです。
もちろん価格もタイヤを購入する際に重要な指標になると思います。
多角的にとらえ、車の乗り方や車種に合ったタイヤを選択することをおすすめします。