先日、日本ミシュランタイヤ主催のタイヤ試乗会があり、参加してまいりました。
今回試乗したのはプライマシー4とパイロットスポーツ4Sです。
そのうち、プライマシー4を中心に試乗のインプレッションをご紹介いたします。
もくじ
プライマシー4とはどんなタイヤ?
まずは今回乗ったプライマシー4がどのようなタイヤかご紹介です。
「プライマシー」シリーズはミシュランのコンフォート系タイヤにつく名称で、「4」とあるようにその第4世代に位置する商品ということになります。
プライマシー3が発売されたのが2013年、このプライマシー4が2018年ですので5年越しに満を持して登場ということになります。
その間蓄積された技術やノウハウが惜しみなく投入されているとのことです。
プライマシー4の大きな特徴としてあげられるのは下記の2点です。
- 高い静粛性
- 濡れた路面での優れた制動性能
ミシュランが試乗会前にプレゼンしていたときのキャッチを引用すると
「濡れた路面にも強い、プレミアムコンフォートタイヤ」とのことです。
高い静粛性
もともとプライマシー3でもその優れた静粛性は様々なところで高く評価されていました。
筆者自身としても静粛性においては国内有名メーカーの同セグメント内に位置する商品と比べても、引けを取らない優秀なタイヤだと評価しています。
それが更にプライマシー4になり進化をしたというから驚きです。
具体的にはトレッドパターン(接地面の形状)の見直しを図っています。
周波数をコントロールしパターンノイズを低減する従来のバリアブルピッチに、サイレントテクノロジーを加えることでさらなる静粛性の向上を実現しています。
濡れた路面での優れた制動性能
プライマシー4ではウェットブレーキ性能が大きく向上しました。
プライマシー3と比べ新品時(履き始め)でも4.5%短く止まり、摩耗してから(履き替え時)だとなんと13.3%も短く止まるようになり安心感が長く続きます。
これは溝の形状を見直し、濡れた路面での排水性能がアップことに加え、タイヤのゴムを濡れた路面でもよりグリップする新しい配合のコンパウンドにしたからです。
試乗会では周回と急制動の2つのコースを走行しました
今回のプライマシー4の試乗会はGKNドライブラインジャパン㈱ プルービンググラウンドのコースを利用して行われました。
非常に大規模なテストコースです。
一番外側は大きくバンクしている周回コースがあったり、低μ路があったり、坂やスラロームなど多彩な状況を再現できるようなコースとなっています。
その中で今回の試乗会では周回と急制動の2つのコースを走行しました。
- 周回コース:一番外側のコースを40~100km/hのスピードで走行。途中にコーンが置かれており、80km/hでのレーンチェンジや60km/hでのスラローム走行を行いました。ハンドルに対するレスポンスの良さや車を立て直す際の感触、タイヤの静粛性を体感できるコースでした。
- 急制動コース:停止の状態からアクセル全開で80km/hに達した段階でフルブレーキ。ブレーキ時の制動力を体感できるコースでした。
なお、当日の天気は雨ですべてのコースが水に濡れている状態でした。
(そのため静粛性はドライ路面での走行に比べて感じにくかったかもしれません)
搭乗した車はいずれもクラウンアスリートです。タイヤサイズは215/55R17 タイヤの空気圧は230kpaです。
比較対象のタイヤは国内大手メーカーから発売されているコンフォート系のタイヤでした。
プライマシー4と同じカテゴリーに位置づけられる商品です。
※当日は写真撮影が全面禁止されていましたため、画像がありません。ご理解いただけますと幸いです。
周回コースでタイヤとしての総合的な性能の高さを体感
周回コースでは60~80km/hとそれなりに速度を出した状態でレーンチェンジやスラローム走行を行いました。
プライマシーは静粛性をウリにしているシリーズですが、驚いたのは静粛性以外の性能も非常に優れているという点です。
早いスピードでハンドルを大きめに切ってレーンチェンジをすると車体は当然大きくふらつくことになりますが、比較したタイヤに比べてプライマシー4はその後の持ち直しがとても早く、スポーツ系のタイヤを彷彿とさせる走りを感じました。
後輪側のふらつきがすぐに収まるため、次にハンドルを切るアクションに入りやすい感覚です。
また、ハンドルの動きに対してのタイヤのレスポンスも良いので走行安定性が高く安心感がありました。
実は試乗前は、「ウェット性能を向上させるため各溝が深く大きくなっているということは、ブロック剛性が確保されず走行安定性はむしろ悪くなるのではないか」と想像していましたが、その推測もすぐに払拭されました。
「乗っていて楽しいタイヤだろうな」という率直な感想を持ちました。
残念だったのは当日の天気が雨だったため、ドライ路面を走ることができず肝心の静粛性の向上を体感できなかったことです。
いかに静粛性が良いタイヤでも雨だとどうしても水を切る音が出てしまいますね。
ただ、メーカー担当者の方の話によると別日に開催された試乗会ではドライ路面で走行ができ、搭乗した全ての方に静粛性の違いを感じていただけたということです。
満を持して登場した新商品ですのでこの点はおそらく抜かりがないだろうと想像します。
急制動コースでは驚きのウェット制動性能の高さを実感
続いて急発進急制動でのウェット制動をテストしました。
停止の状態からアクセル全開にし、80km/hに達した時点でフルブレーキをかけるという普段ではなかなか体験できない走り方です。
雨ですので路面はしっかり濡れたウェット路面です。
こちらのコースでは新品のプライマシー4と比較用タイヤだけでなく、意図的に摩耗させ残溝2mmになった同商品が用意され、計4種類の乗り比べができました。
新品時の乗用車タイヤは溝がおおよそ6~8mmです。
法定使用限界のスリップサインが出るのが1.6mmですので、残溝2mmですとほとんどツルツルに近い状態のタイヤでした。
新品のタイヤではプライマシー4と比較商品の制動距離に1mも差が出ませんでした。
やはり新しいタイヤは雨に濡れている路面を走行していても安心感があります。
しかし、新品タイヤと摩耗タイヤには大きな差が出ました。
プライマシー4自体も新品時と摩耗時ではおおよそ10mほど制動距離が伸びるということも貴重な体験でしたが、なによりも摩耗した状態のタイヤは種類によって制動距離が10m近く差が出たことが衝撃でした。
このことを体験できたことが今回の試乗会で特に貴重な経験になったと感じています。
時速80kmというと高速道路では普通に運転していて出すスピードです。
例えば、渋滞の最後尾に気づくのが遅れたり、突然目の前で事故が起きたりなどフルブレーキをかけることは実際に起こり得ることでしょう。
その時に、自分自身が事故にあうかどうかの差が、タイヤによって現れるだろうということを実感する試乗となりました。
プライマシー4は摩耗時のウェットブレーキ制動を重視しているタイヤです。
これはすなわち運転することの安心に直結します。
まとめ:プライマシー4試乗会に参加して
私は今まで数々のメーカーの試乗会に参加していますが、その中でも今回の試乗会は最も車に乗る時間が多く・長く設けられていました。
その分存分にタイヤの感触を確かめることができましたし、よりリアルな感想を持って帰ることができたと感じています。
その上でもプライマシー4は総合性能が高くて優秀なタイヤだと評価ができました。
近年ゲリラ豪雨は増加傾向にあります。
また、雨天時の交通事故は晴天時に比べ4倍にのぼるというデータもあります。
車は命を乗せて走るものですから、安心して走行できることが何より優先です。
プライマシー4は静粛性や乗り心地も優れたタイヤですが、それは根底に「安心・安全」が確保されてこそ求めることができる性能だと強く感じました。
静粛性が高く乗り心地が良いタイヤは他のメーカーからも発売されています。
ブリヂストンのREGNO(レグノ)シリーズや、ヨコハマタイヤのADVAN dB V552(アドバンデシベルブイゴーゴーニ)やダンロップのVEURO VE303(ビューロ ブイイーサンマルサン)、グッドイヤーのEfficientGrip Comfort(エフィシェントグリップ コンフォート)などです。
それぞれ単体で試乗したことはありますが、各商品やはり長所・長所があります。
私自身「あのタイヤが好き・・・」という好みもありますし、今回ブログに書ききれなかったプライマシー4のタイヤの内部構造やゴムのコンパウンド、トレッドパターンの進化など技術的な側面も含めたくさんの情報も、当店まで足を運んでくださればたっぷりお話いたします。
店頭では各種メーカーのタイヤを取り揃えて、より詳しいご案内もしております。
ご不明点などありましたらお気軽に店頭スタッフにお声がけください。
埼玉県川越市最大級のタイヤ専門店
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