2020年8月から発売されたミシュランの新しいスタッドレスタイヤX-ICE SNOW(エックス アイススノー)。氷上性能と雪上性能のバランスを高い次元で具現化しています。
従来までミシュランを代表するスタッドレスタイヤはX-ICE 3+(エックス アイス スリープラス)でしたが、発売から3年が経過しているため、さらに性能を進化させたX-ICE SNOWが登場しました。
ミシュランはフランスのタイヤメーカーとして有名ですが、X-ICE SNOWは日本のユーザー向けにも開発されているため、北海道で開発テストが行われていました。
「日本の雪道が世界で最も過酷」とも言われており、日本で開発されたX-ICE SNOWは、世界に通ずるとも考えられます。
今回は、そんなX-ICE SNOWと前モデルX-ICE 3+を比較してみます。後半には実物の比較写真もございますので、ぜひご覧ください。
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もくじ
X-ICE SNOWの特徴をあらためて確認
新モデルであるX-ICE SNOWの特徴をあらためてまとめると、次のようになります。
- さらに進化した雪上・氷上ブレーキング性能
- さらにロングライフで長持ち
- 新技術を惜しげも無く採用
さらに進化した雪上・氷上ブレーキング性能
一番の特徴とも言えるのが、アイスブレーキング性能の向上です。
新開発コンパウンド「EverWinterGrip」の採用により、雪上・氷上性能がバランス良く高まっています。
もちろんブレーキだけでなく、発進や加速、コーナリング性能も相対的に向上していますので、走行中の車体に安定感も生まれます。
ミシュランによると、X-ICE 3+と比較して氷上ブレーキング性能は9%、雪上ブレーキング性能は4%向上と公表されています。
氷上ブレーキング性能
雪上ブレーキング性能
数値だけで見てみるとわずかな差のようにも思いますが、実際運転してみるとその安定感に驚かされます。
積雪が多い地域のユーザーからすれば、これ以上ないくらい信頼できるタイヤではないでしょうか。
さらにロングライフで長持ち
スタッドレスタイヤは溝が深く、新品時にピークのグリップ力を発揮しますが、摩耗が進むにつれて性能がどんどん低下していく特徴があります。
しかしX-ICE SNOWはロングライフ性能も重視して開発されていますので、長期間の使用でも安定したグリップを維持。安全性と快適性の両方を高い次元で実現しています。
長持ちするタイヤは、もちろん環境性能に優れているとも言えるため、現代に求められたタイヤとも言えますね。
新技術を惜しげも無く採用
X-ICE SNOWは最新のスタッドレスタイヤだけに、新技術が惜しげも無く採用されています。
新しいコンパウンドは従来のタイヤ性能と比較して全体的に底上げされていることに加え、路面の食いつきを決めるタイヤパターンも新タイプとなっています。
新技術については次項で詳しくご紹介していきますのでご覧ください。
X-ICE SNOWから採用された新技術を見てみる
X-ICE SNOWでは主に次のような新技術が採用されています。
- EverWinterGrip(エバー・ウインター・グリップ)コンパウンド
- Vシェイプトレッドパターン
一つずつ見ていきましょう。
EverWinterGrip(エバー・ウインター・グリップ)コンパウンド
X-ICE SNOWから新しく採用されたEverWinterGripコンパウンド(エバー・ウインター・グリップ・コンパウンド)は、剛性の高いポリマーベース素材を配合し、摩擦によって細かい凹凸が形成されます。
その結果、
- 氷上・・・エッジ効果(氷に食いつく)・凹凸が水膜を被って接地
- 雪上・・・雪を踏み固めて食いつく
などの効果を生み出します。
ちなみにコンパウンド自体がこのような設計となっているため、タイヤが摩耗しても効果が持続します。
凹凸の大きさも従来のX-ICE 3+と比較してゴツゴツとしていますので、より大きなエッジ効果や雪踏み効果を生み出します。
コンパウンド自体の剛性も高くなっていますので、耐摩耗性能も向上しています。
Vシェイプトレッドパターン
サイプの高さが従来と比べて28%増加しており、さらに大きなエッジ効果を発揮します。
さらに中心部から外側まで一直線に伸びる深い横溝のおかげで排水性も向上。シャーベット状になっている路面でもしっかりグリップします。
サイプ自体はトレッドの奥深くまで刻まれているため、スタッドレスの使用限界である50%磨耗になってもブロックの形状を保持し続けます。
また、X-ICE SNOWには2種類のサイプが採用されており、それぞれ役割が異なります。
VTSサイプ
ブロックの倒れ込みを防ぎ、接地面を確保することでグリップを保持し続けます。
サイプが路面に食い込んでくれるため、雪踏み効果も発揮。路面をしっかり捉えられるようになります。
NewクロスZサイプ
剛性を確保し、エッジ部分を保ってくれます。
接地面効果を最大限にしてくれ、氷上の水膜も除去。氷上性能に大きく貢献してくれます。
写真で比較するX-ICE SNOWとX-ICE 3+の違い
ここでは写真でX-ICE SNOWとX-ICE 3+の比較を見ていきましょう。
スタッドレスタイヤは、一見するとどれも同じように思うかもしれませんが、注意深く見てみると、たくさんの違いを発見できます。
今回ご用意したのはどちらも同じサイズの225/45R17 94Hです。
ラベル表記もほとんど同じですので、混在するとどれがどれだかわからなくなりそうですね。
ミシュランのラベルは最低限必要な情報を載せているという感じで、シンプルな印象です。
次にトレッドパターンを比較してみましょう。
左がX-ICE SNOW、右がX-ICE 3+です。
どちらも回転方向があるタイヤパターンであるのが特徴的。
見比べてみると、X-ICE 3+はセンターの縦溝がなくなっているのがすぐわかると思います。
X-ICE 3+と比べてブロックの形状も若干大きくなっています。
このままではわかりづらいので、アップした写真で確認してみましょう。
X-ICE SNOWはセンターの縦溝がなくなった分、横溝がVの字にセンター部分まで貫通しています。
次にサイドウォールの違いを見てみましょう。
サイドウォールのデザインの変更はほとんどありませんが、X-ICE SNOWのほうはショルダー部の溝が若干大きく深く刻まれているのがわかります。
まとめ
X-ICE SNOWはX-ICE 3+と比べて大きく進化したことがわかりますね。
現在のミシュランが持つ最新技術が惜しげも無く投入されており、間違いなくトップクラスの性能を持つタイヤとも言えるでしょう。
氷上性能や雪上性能両方がバランス良く向上しており、従来モデルX-ICE 3+を履いていた人も違和感なく走行できるのではないでしょうか。
むしろレベルが一段階上がったタイヤだと実感できると思います。
この冬は日本の道で鍛え上げられたX-ICE SNOWを履き、快適なカーライフをお送りください!
当店ではX-ICE SNOWやX-ICE 3+だけでなく、国内外様々なメーカーのスタッドレスタイヤをお取り扱いしております。
各商品の長所・短所を含め、様々な観点からあなたのお車にピッタリのタイヤをご提案させていただきます。
もちろんタイヤに関しての疑問にもお答えさせていただきますので、お気軽に店頭のスタッフまでお尋ね下さい!