タイヤは車の乗り心地や運動性能の良し悪しを決めるのに重要な部品です。
乗り心地を重視したいのであればコンフォートタイヤ、高いコーナリング性能を求めるのであればハイグリップタイヤなど、求める性能に適したタイヤ選びをするのが理想です。
そしてSUVは車高が高く車重もあるため、タイヤ自体にかかる負荷が大きくなりがちですので、剛性が高いタイヤが求められます。
しかし、剛性が高いタイヤを装着すれば代わりに乗り心地が犠牲になります。
また、近年は街乗りベースを主体としたクロスオーバーSUVの人気が高まってきており、SUVタイヤに乗り心地や燃費性能なども求められるようになってきたのです。
そこで登場したのがコンフォート性能に優れたオンロード専用のSUVタイヤ。
大きくて重い車体を支えつつ、乗り心地やハンドリング、燃費性能など、街乗りタイヤに求められる性能をバランス良く備えています。
今回は、クロスオーバーSUVに乗られている方や、本格的なクロカンSUVにも乗り心地が優れたタイヤを装着したいと考える人に向け、コンフォート性能に優れたSUVタイヤをご紹介していきます。
もくじ
SUVとはどんな車?
そもそもSUVとはどのような車なのでしょうか。
特徴をあげると、次の4つにまとめられます。
- 最低地上高が高く、段差や悪路でも走破しやすい
- 乗車位置が高く、視認性が優れている
- 車内が広く、レジャーやファミリーカーとして活躍する
- 重量感がある見た目で所有欲も満たしてくれる
こうして見ると、たくさんの長所を持っていることがわかりますが、一方でデメリットもあります。
- 最低地上高が高い分コーナーで車体が大きくふらつく
- ハンドリングの応答性や乗り心地はセダンやワゴン、コンパクトカーに劣る
- 車体が重く空気抵抗やタイヤの転がり抵抗も大きいためセダンやコンパクトカーと比べて燃費性能も劣る
これらのデメリットがあるため、SUVの車は、街乗りやドライブなどを苦手としてきたのです。
そこで、本来SUVが持つデメリットを解消し、街乗りも楽しめるように開発されたのがクロスオーバーSUVです。
クロスオーバーSUVとは
クロスオーバーSUVの登場により、「SUV」と呼ばれるジャンルは、
- クロカンSUV・・・本格的なオフロード路面を走破するために開発された
- クロスオーバーSUV・・・舗装路や高速道路での性能に重きを置いて開発された
の2種類に分けられるようになりました。
クロスオーバーSUVは、高剛性のラダーフレームを持つクロカンSUVとは異なり、乗用車に採用されているモノコック構造が採用されています。
そのため、車体の重量やボディ剛性は乗用車に近くなっています。
セダンのようなアスファルト路面での快適性や、ハンドリングの良さを持ちつつ、SUVの本来持つ悪路の走破性や居住空間の広さも持ち合わせている万能選手と言えるでしょう。
また、メーカーによっては本格的なクロカンSUVのような走破性を持たせたり、反対にコンパクトカーやセダンをベースにしたクロスオーバー仕様の派生を生み出したりと、多種多様なモデルが存在します。
ハイブリッドモデルやターボ搭載モデルも次々に登場しており、これまでのSUVでは苦手とされてきた走行性能や燃費性能も大きく改善されたため、人気が急上昇してきました。
SUV用タイヤの特徴や性能
冒頭でもご紹介したように、SUVは重心が高く重いため、タイヤに大きな負荷をかけてしまいます。
そのため、SUV用タイヤは高負荷に耐えられるように、剛性が高く、耐摩耗性能が優れている傾向があります。
ただし、その分乗り心地を大きく犠牲にしています。
もちろん絶対にSUV専用のタイヤを装着しなければならないと言うわけではありません。乗り心地やハンドリングを良くするために乗用車用のタイヤを装着することもできます。
ただし、その場合だとSUVの重い車体を支えきれず、コーナリング中にふらつきが発生したり、タイヤ自体の寿命が短くなることもあるのです。
SUVの車体でも耐えられて乗り心地やハンドリングも犠牲にしないタイヤ…
そこで開発されたのが、SUV専用のコンフォートタイヤです。
ふらつきを抑えるために剛性は維持したまま、パターンやトレッド面を改良し、乗り味や燃費性能を向上した全く新しいSUVタイヤなのです。
おすすめのSUV用タイヤ(コンフォート編)
SUV専用のコンフォートタイヤは様々なメーカーから販売されています。
当店のおすすめは、
となります。
各メーカーによって特徴が異なりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
【ブリヂストン】アレンザLX100
タイヤメーカー最大手のブリヂストンが開発したアレンザLX100は、高い剛性と耐摩耗性能を持ちつつ、優れた静粛性があるのが大きな特徴です。
サイドウォールにはSUV専用サイドチューニングを採用し、高次元の剛性を実現。高級SUVのような重い車体もしっかり支えてくれます。
また、トレッド面は、イン側にシークレットグルーブ、アウト側に3Dノイズ抑制グルーブと、左右非対称のパターンを採用し、タイヤライフを大幅に向上。
シークレットグルーブと3Dノイズ抑制グルーブは、高周波ノイズの抑制やロードノイズの削減などの効果があるため、非常に優れた静粛性を実現しています。
セダンのような上質な乗り心地を求めている人にはぴったりのタイヤと言えるでしょう。
タイヤサイズ | 15〜22インチ |
ウェットグリップ性能 | c |
転がり抵抗係数 | A |
発売日 | 2021年2月 |
特徴 | ・高次元の静粛性 ・ふらつきの低減 ・高い耐摩耗性 |
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【ヨコハマタイヤ】ブルーアースXT
ブルーアースXTは、低燃費タイヤで有名なブルーアースシリーズから登場したSUV用タイヤです。
タイヤ自体の剛性が高められているのはもちろん、ブロック剛性も高められているため、転がり抵抗を極限まで抑えられています。SUVが苦手としていた燃費性能やハンドリング性能を大幅に向上しています。
硬いタイヤはロードノイズも引き起こしてしまう欠点もありますが、本製品は長さの異なる5種類のピッチ・バリエーションを配置することで、タイヤが接地した時のノイズをしっかり抑えてくれます。
高速道路で本領を発揮してくれるのはもちろん、ワインディングロードを楽しむのにも適しているタイヤと言えるでしょう。
タイヤサイズ | 16〜20インチ |
ウェットグリップ性能 | a |
転がり抵抗係数 | A |
発売日 | 2020年2月 |
特徴 | ・雨に強い ・高いハンドリング性能 ・優れた静粛性 |
【ミシュラン】プレミアLTX
ミシュランから販売されているプレミアLTXは、高速安定性と高いウェット性能が特徴的なSUV用タイヤです。
ミシュラン独自の技術「エバーグリップテクノロジー」により、高速走行時の突き上げや車体のふらつきを軽減。タイヤ自体がしっかりしていることで、スピードを出してもスーッと前に進んでくれます。
また、
- エクスパンディング・レイングルーブ・・・断面が台形の溝になっている
- エマージング・グリップ・・・摩耗の進行と共にショルダー部の横溝が拡大する
の採用により、摩耗が進んでも高い排水性をキープし続けてくれます。
さらに、新開発のハイトラクション・コンパウンドにより、幅広い温度域でタイヤが機能するため、雨天時で冷えた路面でもしっかり地面を捉えてくれるでしょう。
高い速度域での安定性と安全性を重視するところは、さすがはヨーロッパメーカーと言えるのではないでしょうか。
信頼できるコンフォートタイヤを探している方におすすめしたいタイヤです。
タイヤサイズ | 16〜22インチ |
ウェットグリップ性能 | - |
転がり抵抗係数 | - |
発売日 | 2016年2月 |
特徴 | ・ふらつきが少ない ・高いウェットグリップ性能 ・高速域での高い安定性 |
【トーヨータイヤ】プロクセス CL1SUV
トーヨータイヤが開発したプロクセスCL1SUVは、コンフォートタイヤに求められる静粛性と低燃費性能をバランス良く両立したことに加え、安定したグリップ性能を発揮するタイヤです。
トレッド面には、リブ基調非対称パターンや非対称ブロックピッチ配列が採用されており、パターンノイズを極限まで抑えることに成功。高い静粛性のおかげで車内空間を快適に過ごすことができます。
また、プロクセスCL1SUVは、トレッド面が地面を均一に捉えてくれるように、研究し尽くされたタイヤでもあるのです。
- ダイナミックテーパー・・・リブ部分にテーパーを採用し、路面接地時の変形を抑制
- バレルルーフリブ・・・接地時に均一となるようなバレル形状
これらのおかげで均一にアスファルトを捉えてくれますので、安定したグリップとロングライフも実現。
しっかり地面を捉えてくれるタイヤは運転を楽しくしてくれます!積極的にドライブ出かける人におすすめのタイヤです。
タイヤサイズ | 16〜20インチ |
ウェットグリップ性能 | b |
転がり抵抗係数 | A |
発売日 | 2021年1月 |
特徴 | ・上質な静粛性 ・ロングライフを実現 |
【グッドイヤー】エフィシェントグリップ パフォーマンスSUV
アメリカ最大手のタイヤメーカーであるグッドイヤーから発売されているエフィシェントグリップ パフォーマンスSUVは、ラグジュアリーSUVが持つ上質な乗り味を存分に発揮できるタイヤです。
トレッドベースコンパウンドには振動を抑えるクッションレイヤーコンパウンドを採用。路面形状に追従する柔軟性も持っているため、荒い路面を走行しても快適さを維持し続けてくれるでしょう。
また、ノイズを抑制するトレッドデザインの採用や、接地面を均一化するタイヤ形状のおかげで、煩わしい走行音を軽減してくれます。
広大なアメリカ大陸を走る車に装着されているタイヤは、常に過酷な環境に晒されていると言っても過言ではありません。
エフィシェントグリップ パフォーマンスSUVには、過酷な環境で鍛えられたグッドイヤーの技術が惜しげもなく投入されていますので、ハンドリングや乗り心地、低燃費性能、どの性能も高いレベルで仕上がっているのです。
上質な乗り心地だけでなく、優れたハンドリングも求めている人にぴったりのタイヤです。
タイヤサイズ | 17〜20インチ |
ウェットグリップ性能 | a~c(サイズによる) |
転がり抵抗係数 | AorB(サイズによる) |
発売日 | 2018年2月 |
特徴 | ・高い静寂性 ・快適な乗り心地 ・ステアリングの反応が向上 |
性能比較
SUV専用のコンフォートタイヤと言っても、さまざまな特徴があるタイヤがあることがわかりました。
理想はこの中から一つずつ装着してどれがいいのか決めたいところですが、なかなかそうはいきません。
そこで、性能を比較しやすいよう表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
商品名 | アレンザLX100 | ブルーアースXT | プレミアLTX | プロクセスCL1SUV | エフィシェントグリップ パフォーマンスSUV |
---|---|---|---|---|---|
メーカー | ブリヂストン | ヨコハマタイヤ | ミシュラン | トーヨータイヤ | グッドイヤー |
ウェットグリップ性能 | c | a | - | b | a~c(サイズによる) |
転がり抵抗係数 | A | A | - | A | AorB(サイズによる) |
発売日 | 2021年2月 | 2020年2月 | 2016年1月 | 2021年1月 | 2018年2月 |
タイヤサイズ | 15~22インチ | 16~20インチ | 16~22インチ | 16~20インチ | 17~20インチ |
特徴 | ・高次元の静粛性 ・ふらつきの低減 ・高い耐摩耗性 | ・雨に強い ・高いハンドリング性能 ・優れた静粛性 | ・ふらつきが少ない ・高いウェットグリップ性能 ・高速域での高い安定性 | ・上質な静粛性 ・ロングライフを実現 | ・高い静寂性 ・快適な乗り心地 ・ステアリングの反応が向上 |
まとめ
トヨタのRAV4やホンダのヴェゼル、マツダのCX-5など、各メーカーに必ずと言っても良いほどラインナップされているクロスオーバーSUV。
これまでの本格SUVタイヤに求められる悪路の走破性ではなく、買い物やドライブなど日常的に使うことを想定した高い静粛性や乗り心地の良さ、耐摩耗性能などに変わってきました。
そのため、SUV専用のコンフォートタイヤは、クロスオーバーSUVにぴったりのタイヤと言えるでしょう。
今回ご紹介したタイヤは各メーカーが独自の技術を投入して開発しており、どれも高品質なタイヤであることは間違いありません。
それぞれの特徴を見比べ、この中からピンとくるタイヤを選んでみてはいかがでしょうか!
当店相広タイヤではSUV・CUV・4WD車向けのタイヤ販売にも力を入れております。
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